希少生物保護

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生態系保全に向けて

戸隠の植物保護は、信仰に由来する巨木を中心としたスギが列状に並ぶ並木と自然な遷移に委ねられて形成されている針広混交林の二つを軸とした保護を行っています。

  • ●植物保護

    源氏ホタル、平家ホタル、姫ホタルなどの保護

  • ●鳥類保護

    フクロウなど貴重な鳥類への配慮

  • ●生態系維持

    国立公園内の自然環境保全

①針広混交林の保護方針(自然遷移の尊重)

  • 基本方針:

    • ・人為的管理は可能な限り行わず自然遷移に委ねる。
    • ・定期的なモニタリング調査により遷移過程を記録。
    • ・学術的価値のありようを継続的に記録。
  • 外来リスクからの防護・侵入防止対策:

    • ・ニホンジカ等の短期間植生変化リスクに対して侵入防止柵で指定範囲を囲う。
    • ・林床植物の消失防止。
  • モニタリング実施:

    遷移過程の定期的調査により学術的価値を記録継続。

②特定植物群の管理

  • 歴史的植栽の考慮:

    • ・オニグルミ、キハダ等の食用・薬用植物の存在確認
    • ・人為的に植栽された背景を踏まえた管理方針
    • ・史跡活用における適切な処置の検討
  • 希少植物の保護
    天然記念物調査書記載の珍しい植物:

    • ・クリンソウ、オオウバユリ、ベニバナヤマシャクヤク
    • ・ミズバショウ、ユリワサビ等の現地確認と保護
      源氏ホタル、平家ホタル、姫ホタルなどの保護

③光環境改善

  • 選択的管理:

    スギの樹冠に重なりスギ生長を妨げる広葉樹のみ、スギ幹から5m以内を対象に枝払い・伐採検討。

  • 最小限介入:

    スギ樹冠下で枝葉を拡げているものは生長に影響がないため対象外。
    フクロウなど鳥類への照明影響対策として繁殖期を考慮した街灯の時間制限。

④安全対策

  • ツキノワグマ対策:

    • 草刈り範囲拡大:参道周辺の草刈り幅を広げて見通しを改善
    • 捕獲等のリスク低減:人慣れしたツキノワグマ出没時は積極的にリスク低減措置を実施。
  • 戸隠神社奥社社叢の植物保護は、単なる自然保護ではなく、信仰と自然が一体となった文化的景観の保護として、総合的かつ長期的な視点で実施されています。特に、科学的調査に基づく客観的管理と、地域の人々による継続的な保護活動が両立した、模範的な植物保護事例となっています。

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